昨日、4月1日から始まった事について書きましたが、医療の分野においても新たな制度がスタートしています。一つは「特定健康診査」です。通称の「メタボ検診」という名で認知されているようですが、メタボリックシンドロームの該当者や予備軍を見つけ、該当した場合には生活習慣改善のための特定保健指導を受けるというものです。
ほかにも4月からは後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及を目的に医師が記入する「処方せん」様式が変更されました。そして、従来の老人保健制度から75歳以上の方などを対象に独立した新たな医療制度が創設され、「後期高齢者医療制度」と名付けられました。しかしこの「後期高齢者医療制度」のネーミングが悪いとして、急遽「長寿医療制度」と名前が変更されました。
商品やサービスのネーミングは、その特徴を表現しつつ、顧客に興味や関心を抱いてもらうものでなくてはなりません。特長を伝えつつ親しみを感じ、かつインパクトのあるネーミングとなると、なかなかネーミングという作業は難しいものです。その独特のネーミングで有名な小林製薬では、担当者が時間をかけて何十通りもの名前を発案し、激しい議論の末に商品名を決めるそうです。そうしたネーミングへのこだわりのなかから「のどぬ〜る」や「熱さまシート」のようなヒット商品が生まれたのです。
日本では65歳以上の人を「高齢者」と括っていますが、多くの65歳以上の人が「自分は高齢者ではない」と考えています。昔と異なり、今は65歳でも元気で健康な方が多く、「高齢者」や「老人」という歳をとって弱ったイメージを連想する言葉にはピンと来ないのでしょう。
その社会的弱者としてマイナスイメージの「高齢者」に併せて「後期」という終わりをイメージする言葉をつけてしまったため、新たな医療制度はさらに印象が悪くなってしまいました。負担増という実質的なマイナス要因に加えて印象の悪いネーミング。新たな制度の導入には最悪の状態になってしまいました。
それまで先発医薬品の特許権消滅後に数多くぞろぞろ出ることから「ゾロ」だとか「ゾロ品」と呼ばれていた「後発医薬品」ですが、響きの良い「ジェネリック」に変更してCMなどによるプロモーションを行った結果、かなりその呼称は定着し、マイナスイメージも払拭されてきました。果たして「後期高齢者医療制度」も呼び名の変更によってそのマイナスイメージは拭い去ることができるのでしょうか。